これまで漢方と薬膳について色々学んで来ましたが、「では実際どのような料理を作ればいいのか?」と疑問に思うかもしれません。なのでこのページでは基本的な薬膳の献立について学んで行きましょう。
ご飯とお粥
お米はアジア圏の多くで主食に当たる食材です。これをそのまま炊くのではなく食薬となる食材と一緒に炊いたり、先に中薬を煎じておいた薬汁を用いて炊いたりする方法などがあります。他にも食薬と一緒に作る薬膳粥や出来上がったご飯やお粥に後から混ぜるなど様々な方法で一緒に食べることが出来ます。
たとえば不安や不眠の時にはユリ根やクルミを用いた粥を、皮膚の痒みにははと麦と小豆を一緒に調理した粥など数種類の食材を用いて薬膳粥にすることもたくさんあります。
なお、一緒に炊く食材は熱が中まで通りやすい物や、長時間熱を与えても栄養が損なわれない物など考えて入れてください。物によってはそのままでも良かったり、細かく切ったりして下処理が必要な物もありますので色々工夫して試してみましょう。
先人の知恵を借りてレシピを模倣するも良し、自分で症状に合った食材を選んでアレンジするも良しとどの症状にも適応した料理が作れます。
麺類
麺類とありますが、これは穀物類の粉を使用した練り物の総称として扱っています。つまり小麦粉を使ったうどんや饅頭、シュウマイ、餃子、ケーキだけでなく、きな粉、そば粉、はと麦粉を用いたものでも同じ調理法で食薬を摂取することが可能です。
調理法は生地を作る際に粉末状の中薬を混ぜ合わせ、そのまま練り合わせる方法が一般的です。この時に注意していただきたいのは、中薬が多すぎると生地がまとまらず潰れ易くなってしまいますので、中薬を多用しないよう気をつけてください。
他には生地に必要な水を薬汁にして練り込んだり、うどんや蕎麦に使うつゆやあんかけに混ぜ合わせるなど方法はたくさんあります。出来上がった物の上にトッピングとして食薬を乗せることも可能です。
米の粉
最近日本でもよく目にするようになった米粉ですが、米粉単品では粘りが少なく扱いにくいので、生地を作る時には摩り下ろした山芋を入れるなどの工夫が必要になってきます。これも生地を作る際に食薬を混ぜ合わせたり、具材を後で一緒に調理することが一般的です。
もし料理が思いつかない場合、米粉についてはフォーを初めとしたベトナム料理が数多く存在しますので、そちらを参考に作ってみるといいでしょう。