副菜
薬膳料理の調理法は一般の料理とほとんど変わらないですが、季節や体質、体調、症状などの要素によって調理法が変わってきます。特に揚げ物や高温での焼き物、漬け物にすると食材の性能が変わりやすくなる上に、脾胃の運動機能にも影響が出ます。なので煮る、煮込む、炒める、蒸すなど温かい物や柔らかくした料理を勧めます。そうすることで消化に優しく、熱すぎず冷たすぎない料理は体内の臓器や細胞を無闇に刺激しません。
煮物
調理法はメインの食材と一緒に食薬を一緒に煮込んだり、あらかじめ煎じておいた薬汁で煮込む方法があります。メインの食材、火が通りにくい食材はあらかじめ切り口を入れたり炒めてから煮込んで、素材が柔らかくなった頃が完成です。
上記の状態でもいいのですが、もっと時間をかけて、さらに柔らかくなるまで煮込む調理法を燉(トン)と言います。
炒め物
食材を食薬と一緒に炒める方法が最も簡単でポピュラーな方法ですが、他にも中薬を煎じた薬汁に水溶き片栗粉を混ぜてあんかけにする方法もあります。この方法で調理して主食のご飯や麺にかけてもおいしくいただけますが、食材のバランスも変わってきますので1つのメニューと考えて食材を選ぶ必要があります。
蒸し物
この調理法も食薬を一緒に蒸す方法と、煎じた薬汁を水の代わりに蒸し上げる方法があります。基本的には食薬になるものとメインの食材を中心にして他の食材のバランスを取って材料を選びます。
スープ(湯)
食薬を煎じた物は薬膳茶として扱うこともできます。しかし煎じただけでなく他の食材と一緒に煮たり、食事の一品として扱う物はスープとして分類されます。調理法は副菜の煮込み料理とさほど変わりませんが、あちらはあくまで煮込んだ食材を楽しむ調理法です。メインになる物が食材かスープかで呼び方が変わってきます。
食材と中薬のスープ
最も簡単なスープの調理法は、食材と中薬をそのまま使用してスープを作る事です。あとは出汁や調味料、油などを使って味を調えます。
薬汁を使うスープ
あらかじめ煎じておいた薬汁を使ってスープを作る方法もあります。
ですが薬汁をこのまま使用すると味が濃くなったり効能が強すぎる場合もありますので、1度水で薄めてからスープを作ります。または出来上がった薬汁を濾して余分なものを取り除いて、スープに混ぜ合わせる方法もあります。
粉にしてスープに混ぜる
食薬の中には効能が強すぎたり味がスープに合わなかったりするものもあります。なのでそういった食材は粉末状にして出来上がったスープに少量振り掛ける方法があります。