薬酒
お酒は前のページで説明した通り、元も古い薬の原型です。お酒と中薬を混ぜ合わせる事で薬酒を作り出すことは薬膳学でも重要な役割を担っています。また、有効成分をよく出すためにはアルコール度数の高い酒を使う必要があります。ですが度数が高いので多量に飲んだり一気に摂取すると脾胃や肝臓に悪いので、適量で楽しみましょう。
飲み物
お茶は解毒作用がある事で中薬に属するだけでなく、種類によって症状に合った茶葉が選べるので飲み物としてもっともよく扱われています。
中でもお茶の色で分けられた6大茶類が最も広く知られています。
お茶の色が緑色の緑茶は清熱解毒の作用があり、黄金色か紅黄色の紅茶は体を温めます。青茶は茶葉が青緑色ですがお茶にすると金黄色や橙黄色になります。茶葉にうぶ毛が生えており、お茶の色が薄い白茶は清熱解暑の効果を持っていて暑さを和らげてくれます。逆に体を温める効果を持っている黒茶の特徴は茶葉が真っ黒か深褐緑色な濃い色をしている事です。黄茶はお茶の色が黄色で清熱作用を持っています。
また、茶葉からではなく食薬を煎じて淹れた薬茶、薬膳茶も古くから中国でよく飲まれています。しかし現代ではミキサーや果汁を絞り出す機械などが開発され、普通なら飲み物にしにくい野菜も簡単にジュースにできます。なので野菜ジュースにしても性質や効能は残るのでそのまま飲んだり、薬茶と混ぜ合わせる方法でも摂取することが可能です。
他にも朝食の飲み物としてあげられる牛乳や豆乳も、薬膳学の視点から見て有効な働きを持っています。この2つには滋陰作用があり、前のページで説明したように血と津液の補給を行ってくれます。寝ている間に寝汗をかいたり、体力の回復に水分が使われて起きた時には全身の水分が減っています。なので朝起きてコップ一杯の水を飲むだけでもいいですが、もっと効率よく水分を補給するなら牛乳や豆乳を勧めます。
デザート・点心
中国のデザートとして一般的なのは点心です。この点心では中の具材に食薬を入れて調理したり、生地に練り込んで蒸し上げる方法などもあります。この方法は主食の麺類で説明した内容も含まれ、小麦粉を使うケーキなどにも応用できます。またクルミや松の実などの食感がある木の実はトッピングとして使ったり、アクセントとしてクッキーなどに混ぜて焼く方法があります。他にも中に入れる食薬をそのままではなく餡やクリームと合わせて作るなど、多くの調理法があります。
Lesson6確認問題
学習した部分の知識をしっかり定着させましょう!
ここからLesson6の確認問題を行なうことができます。