梅雨風邪の特徴
日本の6月、初夏の時期に見られる梅雨は湿気、気圧の低下によって体調を崩す方がいます。『湿』の節気を持った邪は重濁性を持っており、気を濁らせて気だるさなどの不快感を長く与えます。
これによって治癒に時間がかかってしまい、下痢や湿疹、おりものなど、つい気が滅入ってしまう症状が現れてきます。こうなると新しく栄養を受け入れる食事もままならず、脾胃を傷めて吐き気や嘔吐の症状まで発症しかねません。
こういった場合を払拭する為には溜まった熱と一緒に湿気を吹き飛ばす清熱燥湿(せいねつそうしつ)、香りで湿気を紛らわせる芳香化湿、気を巡らせて湿邪を留まらせない行気燥湿(こうきそうしつ)の性質を持った食事をお勧めします。
いんげんとうどの炒め煮
いんげんによる健脾化湿、うどの祛風徐湿の働きを利用した梅雨の湿邪を吹き飛ばすレシピについて説明します。
まず用意する材料はいんげん3本、ウド1/2本、ミカンの皮1/2固分、皮付きのショウガ薄切り3枚、ネギ5㎝、塩、コショウ、サラダ油になります。いんげんは一口大に、ウドとネギは薄切り、ミカンはみじん切りにします。
②それにいんげんも加えて炒め、少量の水も加えて柔らかくなるまで煮詰めます。
③あとは他の材料も加えて炒め、塩コショウで味を調節しながら煮込んで完成です。
夏風邪の特徴
夏の季節は気温が上がる事によって、症状も体の熱が上がって起こる物が主になってきます。体の熱が上昇して汗やツバなどの水分が失われていき、津液だけでなく血液に必要な水分まで発散してしまう可能性が出て来ます。
なので熱を払う清熱解暑や津液を補充して渇きをなくす生津止渇(しょうしんしかつ)の立法が有効です。主に夏野菜やスイカやリンゴ、キウイなどの果汁が多く含まれる果物がこれらに当てはまります。中でもスイカの皮を適当に切ってミキサーにかけた『スイカの皮ジュース』は簡単に清熱解暑の効果を得られます。
とうがんのスープ
予防には上記のような食材を使って体の熱を発散するのが良いですが、もし夏風邪を引いてしまった場合には無闇に体を冷やしてはいけません。こういった場合の為に、今回は温かいメニューの紹介をしていきます。
用意する材料はとうがん200g、豆腐1/2丁、わかめ適量、塩、酢、ごま油です。
②あとは水1000ccに先程の材料を入れて火をかけ、塩、酢、ごま油で味を調えて完成です。
このスープには清熱解暑の作用だけでなく、利尿の作用も含まれているので風邪で体内に溜まった邪気を吐き出してくれる効果もあります。