Lesson09-4 季節に合った薬膳料理 冬

冬風邪の特徴

冬は気温が下がり寒さによる邪気、寒邪が体を襲います。『寒』は陰に属しており、体内に入ると体を保護している陽の気を傷つけて症状を出します。よく見られる症状は悪寒や冷え、下痢などが挙げられます。

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寒くなると体が縮こまって動きたくなくなるように、体内の血も同じように活動が鈍くなります。寒邪が持つ凝滞性と吸引性が気血の循環の阻害し、瘀血にしてしまいます。こうなってしまいますと血が十分に行き渡らない事で頭痛や節々の痛み、胃痛などの症状が現れます。

このような事態が起こったにもかかわらずそのまま放置しておくと症状が悪化し、高血圧や脳血管疾患、心疾患、気管支炎などの発病が高くなってきます。

こんな時は辛い物で体を暖かくして体の表面に溜まった邪気を払う辛温解表や、単純に体を温めて寒さを吹き飛ばす温経散寒などが役に立ちます。

大葉粥

こちらの料理で使用する材料は米80g大葉3枚ショウガ薄切り3枚コショウです。

この時期に効く最も簡単な薬膳料理は、この大葉粥だと考えます。なぜなら普通のおかゆの上に千切りにした大葉とショウガを乗せて2~3分蒸らし、塩コショウで味を調えるだけで出来上がるのです。

簡単ではありますがちゃんと漢方としての効能はあります。大葉とショウガは『辛・温』の性能を持っており、発汗解表や温肺止咳の作用をもたらします。これらは上記で説明した辛温解表に当たります。

またお粥にすることで消化に優しく、炭水化物を取る事で熱エネルギーとなる糖を摂取できます。

鶏肉黄酒粥

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こちらは先程の大葉粥より多少手を凝りますが、その分比例して効果も増えます。

用意する材料は米80g鶏ガラ1/2羽分紹興酒大さじ1杯ショウガ10gネギ10g香草1株しょうゆコショウです。

①まずは香りのネギとショウガをぶつ切りに、香草をみじん切りにします。
②次に1000ccの水に鶏ガラ、ショウガ、ネギ、しょうゆを入れてスープを作ります。
③最初は強火で温め、沸騰したら弱火にして30分コトコトと煮込みます。
④これを濾せばお粥に使うスープの完成です。
⑤あとはこのスープでお粥を作り、出来上がる前に紹興酒を入れて余熱で2~3分蒸らします。
⑥最後に塩コショウ、香草で味を調えて出来上がりです。

鶏肉には補脾益気の効果があるので脾と陽の気を活性化させ、大葉粥でも説明した『辛・温』の効能を持つショウガ、ネギ、香草、酒も合わさって『気虚』の対策に役立ってくれます。これらの要素を全て合わせたこの料理の正確な効能は『温陽補気散寒』という言葉になります。

 

Lesson9確認問題

学習した部分の知識をしっかり定着させましょう!
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