『肝』の特徴
肝は体の中で最も血液が集中している臓器です。そのため血液の量を調節することによって感情のコントロールや気の巡りを好調にしてくれる重要な役割を持っています。
この血を溜める行為を『蔵血(ぞうけつ)』といい、気の巡りをスムーズにして体の調子を整えることを『疏泄(そせつ)』と言います。女性の場合ですと疏泄の働きに月経を正常に保たせることも含まれてきます。
肝の調子をよくするには肝気を発散、上昇させて肝血を養う事が求められます。それに合う性味は辛味で、適度な酸味、甘味を組み合わせたもので、さらに温性の食材や中薬だとなお良いです。
みかんと蓮子のサラダ
肝気を疏泄させる働きを持つ薬膳茶は「ジャスミンとウーロン茶」や「薄荷と菊花」の組み合わせなどがありますが、今回は薬膳料理を紹介させていただきます。
用意する材料はみかん1個、蓮子(蓮の実)15g、きゅうり1/3本、ハチミツ、塩、白コショウ、マヨネーズ、酢になります。
②その途中でハチミツと塩を入れて汁がなくなるまで煮込みましょう。
③その間にみかんの外皮と内皮、種をとっておき、きゅうりを輪切りにしておきます。
④マヨネーズ、塩、白コショウ、酢を混ぜ合わせてタレを作り、他の材料と和えれば完成です。
みかんの行気と蓮子の健脾によって肝脾の働きをよくする行気健脾の効果があります。
四紅湯
こちらは肝血を養うための薬膳料理です。
材料はにんじん1/2本、落花生20g、大棗(タイソウ、なつめ)10個、枸杞子(クコの実)10g、黒砂糖を用意してください。ちなみにクコの実は杏仁豆腐のトッピングなどで使われる赤い実のことです。
にんじんは火が通り易い切り方であればどのように切っても大丈夫です。なのでここでは見た目も華やかになる花形で紹介していきます。
②そこから切っておいたにんじんとクコの実も加えてさらに煮て行きます。
③落花生が柔らかくなって黒砂糖で味を調えたら完成です。
これらの食材にはそれぞれの役割があり、にんじんと落花生は補血、クコの実は滋補肝血、大棗は益気養血の効果を持っています。これらがすべて組み合わさって肝血を養うだけでなく、目の疲れや視力の低下を癒してくれます。
ハマグリの蒸し物
もう1つ肝血を養う薬膳料理を紹介します。
こちらの料理ではハマグリ10個、枸杞子(クコの実)6g、菊花6g、ネギ3㎝、薄切りショウガ3枚、ニンニク1かけ、塩、紹興酒、オリーブ油が必要となってきます。
②後は全ての食材を容器に入れて蒸し鍋にし、蒸気が出てさらに10分ほど蒸せば完成です。
この料理は滋陰清肝の効能を持っており、肝の悪化によって起こる頭痛や耳鳴り、発熱の症状を治めてくれます。