Lesson10-4 五臓に働く薬膳料理 肺

『肺』の特徴

肺は五臓の中で最もデリケートな要素であり、空気の循環が目的の鼻が直接関係する部分です。呼吸機能をつかさどる事もあって空気の状況に影響されやすく、特に空気が乾燥しやすい秋や冬に症状が現れます。

肺

『肺』は呼吸で取り入れた空気を気に変換して、五臓六腑に新鮮な気を送り全身の潤いを保たせてくれます。なので乾燥した空気を取り入れると『肺』も乾燥し、全身の潤いを保つことが不可能となってきます。このことから『肺』は乾燥を嫌い、潤いを好む性質があると言われています。

気を付ける時期は乾燥しやすい冬よりも、季節の変わり目である秋の方がより考慮する必要があります。夏の後半から秋にかけては『温燥』、晩秋から冬にかけては『涼燥』と気候が変わるのでそれに合わせた薬膳を作る必要があります。

百合根とバナナの牛乳煮

こちらは肺を潤す作用を持っている料理であると同時に、百合根の微寒性とバナナの寒性が秋上旬の熱を冷ましてくれます。

用意する材料は百合根1個バナナ1本牛乳500cc、ハチミツです。

①まず百合根をきれいに洗い、黒い部分を取り除いて食べられる状態にしておきます。
②バナナも小さく切りそろえます。
③後は鍋に牛乳、百合根、バナナを入れて10分間煮て、最後にハチミツを加えれば完成です。

上記で説明した効果を持ち、陰性の気を養う効果も持っているのでこの料理の性能は滋陰清熱潤肺です。

八宝飯

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こちらは肺気を養う薬膳で、この効果を持たせるには温性、甘味の物を使用します。

材料はもち米100g山芋15g松の実20g大棗(タイソウ、なつめ)6個クルミ15gあずき餡適量干しブドウ12gハチミツサラダ油になります。

①まず下準備として山芋の皮をむいてさいの目に切り、大棗は種を取っておきます。
②もち米も炊き上がったらサラダ油を振り掛けて混ぜます。
③耐熱容器に干しブドウ、もち米、あずき餡、山芋、大棗、クルミ、松の実、もう1度もち米の順に重ねていき、しっかりと押し付けます。
④それを蒸し器に入れて15分間蒸し、皿に取り出します。
⑤最後にハチミツをかければ完成です。

こちらはもち米と実が温性を持っているので、肺の気を補うだけでなく晩秋の寒さも払ってくれます。この効能を補気温肺と言います。

大根と昆布のサラダ

肺の熱を清める物は寒性、涼性を持った食材が選択され、肺熱が原因の咳や黄痰、のどの渇きを改善してくれます。この料理もその1つです。

材料は大根5㎝生昆布30g塩小さじ1.5杯ごま油小さじ2杯になります。

①作り方は簡単で、大根と昆布を千切りにします。
②後は材料と調味料を全て混ぜ合わせれば完成です。

この料理は先程説明した効果が適応され、清肺化痰の効果を持っています。