Lesson04-2 漢方の種類 清熱類

清熱類とは?

前のページで説明した体の表面に停滞する邪気を発散する解表類に対し、体内の熱を取り除く食薬を『清熱類(せいねつるい)』と言います。体の中で起こった熱から見られる症状を『内熱(ないねつ)』と言い、発生源となる内蔵は肺や心臓、胃、肝臓、膀胱、腸など様々な箇所から見られます。ちなみに心臓と肝臓が熱を持っているときの表現を「心火(しんか)」「肝火(かんか)」と言います。

「熱を清める」という字から連想されるように寒性、涼性の効果を持っており、各種の熱証を冷まして元の状態へと改善させて行きます。

しかし内熱は種類が多く、どこの部分が悪化しているのか判別しづらいので、病院などでの診断結果に基づいてお医者様と相談しながら食材を選びましょう。また、摂取しすぎると陰陽論で学んだ『転化』が起こり、体を冷やしすぎて害を及ぼす可能性が出てきます。

もともと食が細かったり下痢気味の方、冷え性、妊婦の方は摂取する際に注意してください。

清熱瀉火類(せいねつしゃかるい)

清熱瀉火類は肺熱、胃熱、心火、肝火などによって引き起こされる発熱や咳、口内炎、口臭、のどの渇き、排尿痛、下痢、便秘などの実熱証に効果をもたらします。そして清熱類の多くがこの清熱瀉火類に属します。

清熱瀉火類に属する食材は中国のイメージがあまりない、スーパーですぐに買えるようなものが豊富にあります。たとえばセロリ白菜、豆腐、麦、ゴーヤー、トマト、リンゴ、スイカ、メロン、バナナ、マンゴー、カニなど一般的な食材の目白押しです。

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中でも過食にさえ気をつければ特に問題がない食材、水菜ズッキーニ、湯葉、シジミなら普段の料理に組み込むことで「内熱」の予防にもなります。

清熱涼血類(せいねつりょうけつるい)

清熱涼血類は血を送り出す心臓や血を溜めておく肝臓から始まる症状、鼻血や皮下出血、血便などの出血症状に服用される食薬です。

上記の清熱瀉火類とは打って変わって日本に馴染みのない食材ばかりなので想像しづらいでしょうが、それでも例に挙げるとしたら牡丹の根皮になります。

牡丹を花として認識している日本からしてみれば馴染みはありませんが、これも食薬の1つなのです。

清熱解毒類(せいねつげどくるい)

内熱が活発になることで熱毒が発生し、ニキビや吹出物、痒み、皮膚の化膿などが症状として表れます。そういった場合や蛇や犬などに噛まれたときの中毒症状、食中毒などに服用されるのが清熱解毒類です。

この種類は食用のタンポポドクダミ、オリーブなどが有名で、主に煎じてお茶にする調理法が摂取しやすいです。また、オリーブの場合はオリーブ油を調理に使用することでより簡単に取り入れることが可能となります。

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清解虚熱類(せいげきょねつるい)

発熱によって体内の水分が消費してしまい、回復期間中に微熱や疲労、精神の不安などの症状が現れたりします。こういった病後の二次症状を防ぐための種類を清解虚熱類と言います。

この種類は日本で聞き馴染みのない物ばかりなので、食卓には並ばない可能性が高いです。もし病後の症状が安定しない方、摂取したい方は医師や薬剤師の方に相談することをお勧めします。