Lesson04-8 漢方の種類 消食類

消食類とは?

消食類(しょうしょくるい)とは食べ物の消化を促す作用を持った食薬です。飲み過ぎや食べ過ぎが原因で消化不良になるケースが多く見られ、そういった時に消食類の食薬を食べます。すると停滞している脾胃の働きを活発化させ、消化活動を促してくれるのです。

まだ消化器官が未成熟な子供や消化機能が低下しているお年寄りの方は日常的に消化不良に陥る可能性があるので、常日頃から消食類の食材を食事に取り入れることをお勧めします。

まずは食卓に並びやすい食材、大根について紹介します。

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生でいただくのも良し、酢の物に煮物、炒め物、漬物と様々な調理法を持っているので、食卓に度々並んでも飽きが来にくい利点があります。消食類らしく脾胃の働きを助けて腹の膨れや吐き気を抑えてくれるだけでなく、肺熱が原因で気管支に見られる症状や瘀血による出血も予防してくれます。果物やオリーブ、人参など食べ合わせの悪い食材も多々ありますが、大根おろしを常食するだけでもガス溜まりや便秘を改善してくれる優れた食材です。

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疲労回復、精をつけると言われるオクラも消食類の1つです。

茹でて輪切りにしたものを冷やっこなどの上に乗せてアクセントにしたり、山芋や納豆に合わせて粘り気を強めて食べたりと食べ方は多く存在します。そして今紹介した山芋と一緒に食べる方法は便秘を改善し、ムチンというヌルヌルした成分は胃をコーティングしてコレステロールや糖分の吸収を抑えてくれるので、オクラは美容にとてもいい食材なのです。しかし便意を促進させるので、下痢気味の方は摂取を控えたほうがよろしいです。

中には元は同じだけど食べる時期と部分によって名前が違う食材も属しています。それが大麦麦芽です。

大麦はお米と一緒に炊いて食べるのが一般的です。麦芽は大麦を水に浸して0,3~0,5cmほど生長した物を天日干しし、粉末状に加工して様々な料理に用います。

大麦は脾胃に働き、消化器官の機能を増強して食べ過ぎで膨れたお腹を元に戻します。一方麦芽の方は脾胃だけでなく肝臓にも働くほか、母乳の作成を中止する働きがあるので授乳を止める際に食べることがあります。なので女性の方は哺乳期が終わるまで多量の麦芽を摂取しないほうがいいです。

また、加工したある食材も消食類に属します。それがおこげです。

中華料理でよく目にする料理として作られた物でも、釜の底に焦げ付いた物でもおこげとして扱います。こちらは食欲不振の改善だけでなく、胃もたれの解消にも効果があります。調理法は揚げたり細かく砕いてスープと一緒に茹でたりとありますが、1番おいしくいただけて多くの食材を一緒にとり易いのはあんかけ料理にした場合だと考えます。しかも元がお米なので過食さえ気をつければ特にこれといって注意する点がありません。