養生とは?
『養生』とは漢方学の1つで、『養って生きる』という文字から連想できるように生命力を養いながら生きることを指します。つまり養生とは日々の生活を整え、生命力を高めることで病気にかからない体を作っていくライフスタイルなのです。
漢方学での基本理念として『生命力=自然治癒力』という関係性があり、病気にかからない事はもちろん、日々の生活を健やかに過ごすこと、前向きな考えを持って健康になろうという姿勢が理想形となっています。
しかし実際、人間生きていれば良いこともあれば悪いこともあるのが人生です。なのでもし病気や精神の疲れなどで体調に陰りが見えたとしても、それを元の方向へと戻す為の準備が必要となってきます。つまり日々コツコツと健康に気遣う事で大病を免れるようにすることが大事になります。
『養生』を心掛けた結果、良い部分はさらに伸ばし、悪い部分は改善して引き上げて行くことで高水準の体を作り上げることが出来ます。
養生の原則
ここで1つ、理解していただきたいのは『養生』を行う上で人間も自然の1部であるということです。
人間は文明が発達したことで夜間の作業が可能になったり、食材の飽和によって過食が行われたりしています。ですが本来人間も自然の中で生きる生物であり、生活リズムも動物たちとさほど変わりません。
なので『養生』を行う前提条件として朝起きて夜寝る、自然のリズムに逆らって生活することは禁ずる形となります。とは言っても仕事や付き合いなどで思うように過ごすことは出来ないかもしれませんが、可能な日は早寝早起きを心掛けて生活のリズムを整えましょう。
このように自然と調和して過ごすことをクリアすると、次に重要となって来るのは土地や気候といった環境です。前のページ、Lesson3で説明した「陰陽論」や「五行説」は自然にも関係してきて、それと同時に人間の体にも影響を与えて来ます。暑さや寒さで体に直接的な影響を与え、その結果体に異常をもたらせます。
普段『養生』を心掛けた生活をしていれば健康に過ごすことが出来ます。ですが不摂生な生活をしていれば夏や冬といった陰と陽に傾いた季節で体調を崩す可能性が高いです。
他にも暑い夏から冷えてくる秋にかけて喉が痛くなったり、冬に行っていた体を温める方法が春になっても抜けず多汗による脱水症状なども不摂生による結果です。
こういった事態を避けるために、自然にあった生活を送ると同時に季節に合わせた過ごし方も考慮する必要があります。
なお、季節の養生についてはLesson14で詳しく説明しますので、そちらを参考にしてください。
養生への心がけ
ここまで『養生』について学んできましたが、最も重要になって来るのは心と体の健康を気遣う事です。『病は気から』という言葉があるように、気が滅入ればそれに引きずられるように体も滅入ってきます。そしてその逆も然りな事態が起こります。
つまり健やかな心と、健全な体を併せ持つことで『養生』が成り立つのです。
Lesson8確認問題
学習した部分の知識をしっかり定着させましょう!
ここからLesson8の確認問題を行なうことができます。